正直、男の人にほとんど耐性のない私には、男の人の上半身だけでもすごい威力になる。

けど、こんなことでへこたれてられない!

「将冴さんなら、こんなデリカシーのないことしません!」

ボソッと呟く。

「は? 男なんざみんな獣なんだよ」

篤史さんはそう言って髭を剃る。

「俺がどうしたって?」

「あっ、将冴さ……」

見ると、将冴さんは小さなタオルを腰に巻いた姿で、全身を濡らして立っていた。

「あわ、ああっ、あわっ!」

頭が沸騰する。色白な将冴さんの体。肌に張り付いた水滴。濡れた赤い髪。

色気と言うか、むわんむわんのホルモンと、シャンプーのいい匂いがして、頭がおかしくなりそう!

「どうした琴葉? てか風呂のボディソープ切れてたんだけど」

「上の棚にあんじゃねぇの?」

「あ、そうだな!」

将冴さんは踏み台を上り、上の棚を開ける。もう見てられなくて、私は目を反らした。