「琴葉、ストーカー見に行かね?」
「うん、行く行く……ってストーカー!?」

朝、将冴さんがウキウキでとんでもないことを言った。

連れられて、外に出ると、

「ほら、あれあれ!」

とんでもない光景が目に入った。

「嘘っ! ……篤史さん!」

篤史さんが電柱の影に隠れて誰かを見ている。視線の先には、バス停でバスを待つ黒髪で超清楚そうな女子高生がいた。

しかも篤史さん、目が怖いし!

「な! きもいだろあいつ! 毎日ずっとつけてるんだぜ!」

毎日って…?

「うん、ちょっと引く」

「あの可愛い子、陽葵(ひまり)ちゃんって言うんだ!」

将冴さんは笑顔で篤史さんに声をかける。

だけど、篤史さんは陽葵さんに夢中で気づかない。

「なんか本格的に怖くなってきた。あれ、本当に篤史さんですか? “女なんかAXISには要らねぇんだよ!”って、ぬかしてた不良と同一人物ですよね?」