キス、涙々。



意味がわからなくて首をすこしかしげる。


加賀屋くんは、これ以上言わせるつもりか……?と信じられないものをみる目でわたしをみた。




「察しがわるくてごめんなさい……いたたた」

「謝りすぎたら逆に軽くなるぞ」

「加賀屋くん指が目に」



頭を下げようとしたところをググッと止められ、もうすこしで指が目に入りそうになった。





「……れば」

「な、なんて?」

「しっかりやれば大丈夫だから、へこたれんなよって励ましたつもりだったの。俺なりに」

「え、励まして……って、」




うそ。


思わずつぶやけば、ちょうど眉間のあたりにあった親指がぐっと押し込まれる。




「いたたたた、いたいいたい」

「んなつまんねー嘘つくかよ」

「だって怒ってる顔だった、よ?」

「元からだ」



たしかにどちらかと言えば穏やかな顔ではない。

わたしのように、彼の顔がこわいと思う人もきっといると思う。



……それでも、