「ましろ……?」

「っ、みはる、ちゃ……」


大きな目を見開いて、立ち上がったわたしを見ているのは、長野さんじゃない。

美晴ちゃんだ。


それでも……一瞬でも、みはるちゃんが中学の同級生に見えてしまったわたしは最低だった。



「ごめん、美晴ちゃんはなにも悪くない。わたしが、わたしが全部悪いの」

「ましろ、落ちついて。大丈夫だから、一回深呼吸でもしようよ。ね?」


涙で視界がにじむ。


おそるおそる伸ばしてきた手を、わたしはぱしりと振り払った。

美晴ちゃんの顔をみて、傷つけてしまったことは一瞬でわかった。




「……美晴ちゃんみたいになれたらよかったのに」



わたしは教室を飛びだした。