「もー!可愛んだからぁ!このこの〜!!」

 強くギュッと抱きしめられて、私はにこにこと微笑んでいた。

「明日が楽しみね!」

「うん!」

 ついに、明日だ!

「家まで送るわ」

「大丈夫だよ!」

「心配よ!ほら、鈴くんも心配しちゃうでしょう?」

「あっ……」

 鈴くんに、嫌な思いはして欲しくない……。

「わ、わかった……。ごめんね、ありがとう」

「ううん、全然よ」

「ありがとう……!!」

「も〜!いいって言ってんじゃないの!」

「えへへっ、ありがとう」

 その後、家まで送ってもらった。

 鈴くんには、いつちゃんとお買い物に行くってことでちゃんと伝えていた。

 だから、怒られはしないと思うんだけど……。

 もし怒られちゃったらどうしよう……?

 で、でも優しいからきっとわかってくれるよね?

 うん、そう思っていよう!

 プレゼントとチョコレートを渡すのは、放課後、鈴くんの家に秘密で行って渡す。

 よーしこれでオッケー!

 楽しみにしながら、私は深い眠りについた。




「ふぁ……」

「チュンチュン」とスズメの声がしている。

「おはよう、結乃」

「あっ!お兄ちゃん!」

 来たのは、心結来お兄ちゃんだった。

「6時半だぞ」

「わ、もう結構明るいのに」

「そうだな。まぁ、遅刻しないように早くしたくした方がいいんじゃないか?」

「そうだね!」

 私はルンルン気分で支度をしていた。



 支度が終わり、鈴くんが朝お迎えに来てくれた。

「はよ〜結乃」

「おはよ、鈴くん」

 ギュッとさりげなく抱きついてきた鈴くんの頭を優しく撫でた。

「行こうか?」

「うん!」

「結乃、プレゼントくれる〜?」

「も、もちろんだよ!でも、学校に持っていかない方がいいと思うから、あとでね」

「うん?」

 あ、あとでって言っちゃった……!

 もういっそのこと、約束でもして渡そうかな。

「鈴くん、あの、放課後、時間ある?」

「あるよ、結乃と過ごす時間ならいっぱい」

「えへへ、よかった」

 鈴くんに笑みを見せると、ほんのり顔を赤らめて、微笑み返してくれた。



 しばらくして教室につくと、いつものようにシュンとした顔を見せた鈴くんに、胸が痛んだ。

「休み時間行くから!ね?元気出して?」

「うん……でも、僕が結乃のところに行くから、教室で大人しくしてて?」

「わ、わかったよ……!!」

「うん、じゃあ頑張るね」

「いってらっしゃい!」

「いってきます」

 チュッと額にキスされたことを理解して、ボワッと顔が赤くなった。