「じゃあ行こうか?」

「うん!」

 ギュッと可愛い小さな結乃の手を握って、ユックリ結乃の歩くペースに合わせて歩く。

「あのね、今日いつちゃんが可愛いゴムくれたんだ〜!」

「ふふっ、よかったね」

「鈴くんは?どうだった?」

「お友達ができたよ」

「え!誰々?」

「水月」

「あ!いつちゃんの、彼氏さんの?」

「うん」

「確か転校生して来たんだよね?」

「……うん」

 俺は、少しわざとらしく不機嫌らしさを出す。

「ふふっ、水月くんもカッコいいよね、まぁ、鈴くんが1番だけど」

「えへへ」と可愛く微笑んだ結乃に、許さなければならないと良心が叫んでいた。

「水月のことは考えないで」

「あ!はい!」

 俺のことを考えてくれたのか、可愛く返事して、ちゃんと納得してくれたご様子の結乃。

 少し安心して、「ふぅ……」とため息をついた。

 その後、お目当てのチョコレートケーキは買えて、俺の家に行き、2人で仲良く半分個して食べた。