すると、着ていた服の首辺りをギュッと掴まれて、そのまま引き寄せられるように口付けた。

「っ、先輩?!」

 まさか、先輩からこんな公共の場でキスをもらえるなんて……。

「あ、あのね、結輝さんに教えてもらったんだ」




『結乃ちゃん、きっと千瀬と鈴くんは、嫉妬作戦みたいなの考えてるよ、だからさ、結乃ちゃんちょっと鈴くんに強引になってみて?』




「って……」

「ふふっ、ありがとう、先輩」

 俺はギュッと先輩を強く抱きしめて、『好きだよ』だとか『愛してる』、『可愛い』など耳元でたくさん囁いた。

耳元で囁けば、先輩の1つ1つの反応が可愛くてたまらなかった。

そして、なんかいも唇を強引に重ねていたなんて、誰も知らなくていい。俺達の話。もし見てるヤツがいたとすれば、俺の先輩を見たと言う罪で殺してやる。

そう決意した瞬間とは先輩は知らない。


【side 鈴】end