「杏!」

「お兄ちゃん……」

「……?どうした、泣きそうな顔して」

「……お兄ちゃんは、いつか誰かのモノになっちゃうでしょ?それが、悲しいの……」

「っ……俺ね、心の底から杏の事が好きだよ、“恋愛感情として”」

 えっ……?

「ほ、本当!?私も!!」

 って、これはきっと夢だ……。

「……じゃあ付き合う?」

「それは、できないよね……」

「「……」」

「じゃあ、ずっと一緒にいよう、結婚とかはできなくても、恋人らしい事はすればいいじゃん?」

「お兄ちゃん……」

 そう言われて泣きながら抱きついたなんて、鈴くんには秘密。