「いやなの、婚約者とか」

「ちょっと語彙がなくて分かりにくいですが、大体検討はついております」

「じゃあ、断っておいて」

 ……分かってくれるでしょ?私が小さい頃からずっと一緒だった水月なら。

 小さい頃は身分なんて気にせずに、仲良くしてた。

 大きくなって、水月が執事として来た時は、すごく嬉しかった。

 だけど、心がムズムズしてた。

「韡月様、それは無理な事です、婚約者を決めてください」

「それを嫌と言っているの」