俺は今なによりも大切な先輩を泣かせたんだ。

 自分のせいで……。

 自分の醜い独占欲のせいで、先輩を苦しめた。

 その中でさらに俺は先輩を今苦しめているんだ。

 過去の自分が殺したくて仕方がなくなった。

「やめてよ……どうしてこんな事をするの……?私、鈴くんの事嫌いになっちゃうよ……」

 ……自分が憎い。

 謝る事すらヒドいと思った。

 だけど、醜い独占欲はまだ生きていたらしく、泣いている先輩が可愛いからと、店の裏辺りに連れて行った。

「お願い鈴くん……!私、“これ以上嫌いになりたくない”よ……」

 これ以上……?

 ははっ、まぁ無理も無いよな……。

 俺、嫌われてたんだな、やっぱり……。