「なんだ?」

「いいえ、仲良くなれてよかったなって」

「……そうか……」

 頬が緩んで仕方がないので、腕で口元を隠した。

「お友達、ですねっ」

「……ん」

「……あっ」

 ふとなにかを思い出したように結乃はどこかへ去ろうとした。

 けど、まだ行って欲しくないと言う感情に押し倒されて、つい結乃の手をギュッと掴んだ。

「あ、あの、さく先輩……?」

「どこ行くんだ?」

「え、えっと……とう、そう……。」

 は……?逃走?

「「結乃……!」」

 あれは……?楓也と大地……?