「ふふっ、2人共可愛い!」

「「結乃ちゃんの方が可愛いよ!」」

「えへへ、そんな事ないよ」

 お世辞でも嬉しいなぁ……。

 他愛のない話をしながら、学校に向かった。

 すると、鈴くんが仲が良さそうに、他の女の子と喋っていた。

 ズキッと胸が痛む中、鈴くんが私に近寄って来た。

「あ!先輩〜ごめんごめん〜先輩の事、忘れて他の女の子達と学校行ってたんだぁ」

「っ、そっか」

 泣きそうになったのをグッと堪えた。

「結乃ちゃん、こんなヤツ放っておいて、僕と教室行こう?」


 そう言われて、いつもなら絶対一緒に教室に行くのに鈴くんは1年生の女の子達と仲良く話しているので、大地くんの言葉に甘えさせてもらう事にした。


 ……鈴くん、分かりやすく、私にヒドい事してるよね……?

 やっぱりデートで私、鈴くんに迷惑かけちゃったから……。

 帰りも送ってってもらってたらしいし、人の家の車で寝たなんて堂々しかったよね……。

 私は、昨日の自分を本気で殴り倒したくなった。

 今までにないぐらい後悔した。