【side 楓也】

「結乃先輩は俺が運ぶ、返せ」

「おっと、ダメだよ鈴くん、君はチビなんだから、僕が大切に運ぶ」

 俺はそう言う。自分で思った、「お前が言うなよ」と。

 鈴と大地よりは背が高いが、普通の男子の平均身長には全然足りていないチビだ。

 こんなに俺は結乃が好きになっていたんだなぁ……。

 本当につい最近の事だ。


 

 ある日、俺がバイトをしていたカフェに、結乃が来た。