棗くんのキスには殺意がある




「お姉ちゃん」


「うん?」



「明日までに連絡来なかったら、わたしもう終わらせるね」


「ふうん。オウサカナツメ君を切るの?」



「切られる前に切るの。……連絡先、ブロックして、解除する。捨てる」


「そっかあ。臆病だねぇ、茉結ちゃんは」



ふーっ…と、けだるい吐息。
お姉ちゃんがこうするときは、見えない煙草を吸っているみたいだといつも思う。




「でもね、茉結ちゃんはオウサカナツメ君を切れないよ。おねーちゃんが予言してみせよう」


「……切るよ。そのくらいの度胸と覚悟は、ちゃんとあるよ、わたし」


「ううん、そうじゃない。茉結ちゃんが定めた “明日”に、オウサカナツメ君は連絡してくる……そういう話」