渡り廊下。 逢坂 棗まで、あと数メートルの距離になる。 「そうだ。棗くん、今日予定あるー?」 「んー?……べつにないですよ」 「え、じゃあ遊ぼうよ。放課後また連絡していい?」 「おっ、やったー。待ってます」 談笑しているふたりは、わたしの存在に気づくことなく肩を並べて校舎へ消えていった。 ……はい、これで確定。 今日の逢坂 棗はあの人のもの。 これでわたしは、 ──────やっと逃げれるね。