「うう~…前髪 黄金比だったのに」

「黄金比じゃなくても可愛いんじゃん?」

「かっ……、」




…可愛いって。


李々斗がわたしのこと可愛いって言った。

めったにそんなこと言わないから不覚にも動揺してしまったじゃないか。



どうしちゃったのりり君。

怒ったり拗ねたり可愛いって言ったり、いつもの李々斗じゃないみたい。




「……変だよりり」

「そ?フツーだよ。楓莉の方変、顔赤いし」

「っりりに言われたくないんですけど!」

「ねえ、照れてんの?」

「照れてないし、りりはいつもそんなこと言わない」

「そんなこと?」

「…っもう!なんでもない!」




しらばっくれるなんて意地悪だなぁ……。


───なんて、そんなことを思っていたんだけど。