一緒にあの世界から抜け出した子はいつの間にかいなくなっていました。

なんだか車がガタガタと激しく揺れていたので車の窓から外を覗くと崖の上を走っているようでした。

(ここ………どこ?)

どこにいるのかもわからず不安に思っていると、運転をしていた女の人がいつの間にかいて、静かな声でこう言いました。

「ここは境界の谷。あなたはこれから死にに行くのよ──」


─死の世界への扉・終─