きみは微糖の毒を吐く








「絢斗くん……!」




放課後。ホームルームが終わってしばらく友達と喋っていた絢斗くんが帰ろうと廊下に出たのを確認して、慌てて後を追う。


廊下に誰もいないかどうか見てから、彼を呼び止めた。




「なに」

「あ、の、一緒に帰りたいなって……」




私たちは一度も一緒に帰ったことがない。

それは周りに私たちの関係がばれないようにするためなんだけど。




「いや、だから」


「クラスメイトなら!……下駄箱で偶然会って、帰る方向も同じで、一緒に帰ったりすることもあるんじゃないかな、って」




私の必死の説得に、絢斗くんは少し考えて。