絢斗くん、三島さんたちの班と組むことになったんだ。
三島さんはクラスでも結構目立つ女の子で、嬉しそうに絢斗くんと行きたいところについて話している。
私が無意識のうちに絢斗くんを見すぎていたのか、パッとこちらを向いた絢斗くんと目が合う。
一瞬だけ絡まった視線はすぐにほどけて、絢斗くんは三島さんたちと話し始めてしまった。
……いいなあ、絢斗くんと同じ班に、私もなりたかった。
そう思っていると、遠くから聞こえた声にどきんと心臓が鳴る。
「あー、俺は木村さんと悠里ちゃんの班と組みたかったわ」
驚いて少しだけ視線を動かしたら、声の主は絢斗くんの班の男の子。
三島さんが怒った顔で「何、私たちじゃ不満なの?」と彼を睨んでいる。



