きみは微糖の毒を吐く




中学生の時にスカウトされて始めたらしいけど、きっとそれは絢斗くんの中でも大きなものになっていたんだろう。


仕事のためにたった1人で東京に住むなんて、普通の覚悟じゃできないことだと思うから。



だから私は、モデルの柳絢斗も大好きだし、いちばんのファンでいたいって思ってる。





「……でも、今ここにいる絢斗くんはみんなの知らない絢斗くんだって思ったら、こっちのほうが好きかも」





みんなの知らない絢斗くん。

少しきまり悪そうに、照れたように、視線を外す彼。



もしかしたら他にも知っている女の子はいるのかもしれないけど、今この瞬間の絢斗くんは私のものだって、思ってもいいよね?