「どっちも好きだよ」
「……」
「だってどっちも絢斗くんだもん」
絢斗くんは何も言わない、こっちも見ない。
「普段の絢斗くんのことも大好きだし、絢斗くんが一生懸命モデルのお仕事してるの知ってるから、モデルの柳絢斗も大好きなんだよ」
「……そう」
絢斗くんは、いつも怠そうだけど。
学校の授業は大体寝てるかスマホを見ているし、体育の時間は汗をかいているところなんて見たことないし、よくサボっているけど。
何かのために必死になるところなんて、見たことないけど。
それでもモデルのお仕事だけは、大切にしてるのがわかる。



