「……お前って、さ」 何か言いかけた絢斗くんが、少し迷ったように言葉を止める。 「うん?」 「いや、やっぱり何でもない」 「え、気になるよ」 絢斗くんは、いつも飄々としていてマイペースで。私に気を遣うことなんて、めったにないから。 だから何か言いかけてやめるなんて、絢斗くんらしくない。 「……お前、モデルの俺が好きなの?」 「え……」 きまり悪そうに逸らされた視線。 雑誌の中でキラキラしている絢斗くんと、今、私の隣で気まずそうに顔を背ける、スウェット姿の絢斗くん。そんなの。