しょうがないなって、呆れたみたいに笑う顔。
いつもポーカーフェイスで、冷たいところ。
たまに可笑しそうにくくっと笑う声。
余裕な顔してされるキス。
そういうの全部大好きで、絢斗くんだけが欲しくて、それで。
もう少しだけ、もう少しだけって思いながら、なんだかんだずっと絢斗くんの隣にいられたらよかったのに。
涙が次から次へと溢れて止まらない。
泣きすぎて頭が痛いな、なんて思っていた時。
ブー、とスマホのバイブが鳴って、反射的に飛び起きる。
『柳絢斗：いま家？』
このメッセージ、少しは心配してくれてたのかな。
私のこと気にしてくれていたことが嬉しくて、少しだけ心が温まる。
だけど何を言われるのか分からない。
これで終わりにしようなんて話をしに来たんだったら嫌だな。
怖くて既読すらつけることができない。
