きみは微糖の毒を吐く




少しだけ期待しながらスマホの画面を見てみるけれど、メッセージひとつ来ていない。



あーあ、やっちゃった。



絢斗くん、こういう面倒くさい女がいちばん嫌いそうなのに。


わかってたのに。


だから私って都合のいい女なのかなって思っても、何も言わずにいたのに。


私の面倒くさい過去のこと、隠してきたのに。


面倒くさいこともわがままも、できるだけ我慢してきたのに。



……こういうところが面倒くさいんだろうけど、私なりに絢斗くんと一緒にいられるように必死だったんだよ。

きみは知らないだろうけど。





「はぁ……」




ため息を吐きながらベッドの上に寝転ぶ。


目を閉じたって思い浮かぶのは絢斗くんの顔ばかりで嫌になってしまう。