……ああ、ここにもないのかな。
また私、間違えたのかな。
絢斗くんはもう、こっち向いてくれないのかな。
昨日まで笑っていた人が、次の日には私を嫌いになることがある。
昨日まで話しかけてくれた人が、今日からは他人のふりすることだってあるんだよ。
「……ごめ、なさい」
震えた私の声に、絢斗くんが振り返って。
私の顔を見て、驚いたように目を見張った。
動揺したように絢斗くんの瞳が揺れて、初めて自分が泣いていることに気付く。
「は、なに泣いてんの」
「っ、う……」
「めんどくさ」
涙が止まらない私に、絢斗くんがため息を吐く。
胸がぎゅっと握りつぶされたみたいに痛くなって、呼吸が浅くなる。



