前の学校で、梨乃ちゃんから私がしたことの話を聞いた女の子は、ほとんどが「えー、ひどいね」「乙葉ちゃんって男好きなんだ」って、私に非難の目を向けた。
私は友達の好きな人を取ったひどい女。
あの時の冷たい視線を今でも思い出して眠れなくなる。
絢斗くんにまであんな顔されたら、私はもう立ち直れないから。
今のままで、私と付き合ってあげてもいいって思ってくれるままで、もう少しだけ絢斗くんの隣にいたいから。
「絢斗くん、」
「……」
「ねえ、ってば」
絢斗くんはちらりと私を見て、それからまた不機嫌にスマホに視線を移した。
「っ……ねえ、絢斗くん、」
「……」
冷たい目。振り向かない背中。
一瞬だけ私を見た不機嫌な顔。
あの時の恐怖がフラッシュバックする。
誰も私の話を聞いてくれない。
みんなが私を嗤ってる気がする。
みんなが私を嫌いで、傷ついた私を見て嬉しそうで、私の居場所なんてどこにもなくて。



