「……は?」
明らかに不機嫌な絢斗くんの声。
「知らないんだ?……まあ言えないかそんなこと」
ちらりを私を見る彼女に、体も動かないし声も出ない。どれだけ経っても慣れなくて、彼女を前にしただけで弱くなる。
「何なのお前」
ずっと黙っていた絢斗くんが、梨乃ちゃんを見る。
え、と声を漏らして少し動揺した彼女は、
「とりあえず気を付けたほうがいいよ。乙葉、純粋に見えて怖いから」
それだけ言って去って行ってしまった。
絢斗くんとふたり残されて、気まずい空気が流れる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…