絢斗くんは私の手首に、シュッと何かを吹きかける。 「……絢斗くんの匂いだ」 柑橘系の中に少しスパイシーな香りが、ふわりと香る。 絢斗くんがつけてくれたのは、いつも自分が使っている香水みたいだ。 「お前も俺のこと考えて寝ろよ」 それだけ言うと手を離して、私をドアの外に出す。 何それ、何だそれ。 なんだか可愛くて、独占されてるみたいで、幸せな気持ちになる。 「絢斗くんの匂いだ……」 それだけで本当に絢斗くんのことしか考えられなくなってしまうから、彼の甘さは猛毒だ。