「俺のベッドにその匂いつけてってよ」
そう言いながら私の肩を軽く押して、ドサッとベッドに倒れ込む。
私の上にいる絢斗くん。
絢斗くんの部屋のソファーよりも柔らかいホテルのベッドから、スプリングの軋む音がして恥ずかしくなる。
「匂い、って」
「そしたら夜もお前のこと考えてやるよ」
「っ……」
ホテルの照明は優しいオレンジで、程よく薄暗くて、そのムードが羞恥心を煽る。
「使ったのホテルのシャンプー?」
私の髪を綺麗な指で梳きながら、絢斗くんが聞く。
ドキドキしすぎて頭が真っ白になりながらも、必死で頷く。
「俺と同じシャンプーなのになんでそんな甘い匂いすんの」
私の髪をすくって、ちゅ、とキスを落とす絢斗くん。
その仕草が王子様みたいで、色っぽくて、大切にされてるような気がしてしまう。



