きみは微糖の毒を吐く




「何でお前、そんなに俺に信用ねーの」



「……信用ない、っていうか、自分に自信がない、っていうか」




だって、絢斗くんは格好良くて、モデルで、人気者で、すごい人だから。


周りにも可愛くて大人っぽい女の子がいて、女の子なんか選び放題で、それなのに、私と一緒にいてくれる意味が分からない。



私はたいして可愛くもないし、ネガティブだし、嫌われ者、だし。


昔の苦い記憶が脳裏をかすめる。



それに絢斗くんが私と付き合ってるのを隠そうとするのは、私が彼女なのが恥ずかしいからなんだろうな、とか。


他にも女の子がいるのかな、とか。


きっと私は絢斗くんの周りにいるには珍しいタイプだから構ってくれてるだけなのかな、とか。



そういうことをぐるぐる考えてしまうから、いつだって不安だ。