きみは微糖の毒を吐く



「ぷは!」



廊下を曲がったあたりでやっとパーカーを外してもらえて、急に明るくなった視界に少しだけくらっとする。



「絢斗くん、いいの……?部屋戻っても」

「奪いに来たんだろ?」

「そ、そうだけど……」



絢斗くんはそのまま自分の部屋にカードキーを当ててドアを開ける。

きっとさっきの男の子と同室であろうその部屋は、私たちの部屋と造りは同じで、それだけでなんだかドキッとする。




「み、三島さんの部屋で、何してたの……?」



聞いたらウザがられるかもしれないと思いつつも、どうしても気になってしまって聞いてみる。




「普通に喋ってただけ」

「……王様ゲーム、って」

「盗み聞きまでしてたんだ?」

「ごめんなさい……」

「そんなに心配だったわけ」



「……だって絢斗くん、女の子の部屋とか、行くんだって思って」





絢斗くんはうつむいたまま小さな声で話す私をベッドに座らせる。

なんだか緊張してしまって浅くベッドの端に腰かけた。