「えー、木村さんと絢斗くんそういう関係なの!?」
「無理なんだけど!」
女の子たちの声も聞こえてきて、きゅっと身が縮こまる。こういうの、怖い。
俯いて唇を噛んでいると、絢斗くんが「なわけねーだろ」と冷静に答えながら私から離れる。
みんなの輪の中に入りながら、絢斗くんは
「木村さんが溺れかけてたから救助しただけ」
なんて言って笑う。
みんなが「なんだー、そうだよね」
「びっくりしたよ絢斗くん~!」とほっとしている。
私も安心するけれど、なんだか複雑だ。
絢斗くんの腕に絡む女の子に、「私のだからやめて」って言ってしまいたくなる。
だけどそれは言えなくて、ここにいる誰も、絢斗くんと私の関係を知らない。
それってなんだか、少し虚しい。



