きみは微糖の毒を吐く




みんなが海に夢中でこちらをあまり見ていないのをいいことに、あっという間に人気のない岩場まで来てしまった。



岩陰に隠れているので、みんなからは見えない。遠くからみんなのはしゃぐ声が聞こえてくる。




「絢斗くん、こんなところまで来てもいいのかな!?」

「知らね」



絶対だめだよね!?と戸惑いながらも、思わぬところで絢斗くんと2人きりになれて喜んでいる自分がいる。



絢斗くんの水着姿も、高校生とは思えないほどの色気で視線の行き場に困ってしまう。


さすがモデルさんだなぁ。


程よくついた筋肉も、少し濡れた肌も、全部格好良くて、胸がきゅんと疼く。





「……お前、ビキニとか着んだね」


「着てみました……」




何も言わずに、じっと私の水着姿を見る絢斗くんに、いたたまれなくなる。

……どうしよう恥ずかしい、絢斗くんに見られてる。