きみは微糖の毒を吐く




「ていうか木村さん、水着すげえ似合ってるね!」



同じチームになった宮崎くんが、にこにこしながら話しかけてくれる。

3チームに分けたうちの2チームが対戦しているから、私たちのチームはいったん休憩で。

私は宮崎くんと砂浜に座っている。



「え、ありがとう!」

「……ていうか飛行機での柳の、あれ思わせぶりだよなー」

「思わせぶり……?」

「だって木村さんの気持ち弄んでるんだろ。

……なあ、木村さん、俺にしない?」


「え……」



「俺だったら木村さんのこと幸せにしてあげられるよ。木村さん可愛いし、俺結構本気で……」



真剣な表情の宮崎くんに驚いて、ただその瞳を見つめ返す。




「その水着も可愛いし、正直他の男に見せたくないなー、なんて」


「!?」



そ、そんな少女漫画みたいなこと言われたの初めてで、どうしたらいいのかわからない……!