「……」




絢斗くんは眠そうなまま、脱いだ制服のブレザーを膝にかける。

絢斗くんと、私の膝に覆いかぶさるブレザー。



「え、」

「スカート短い」




冷めた目で私を見て、また視線を戻してしまう絢斗くん。


確かに今日は修学旅行だからと気合を入れて、制服のスカートを少し短くしたけれど。



……見たくもないほど不快だったのかな。かなりショック。




「ご、ごめん……」




何も言わない絢斗くん。なんだか悲しくなってきた。


さっきまで幸せでいっぱいだったのに、絢斗くんの一挙一動に気分が振り回されてばっかりだ。