「うま。乙葉もいる?」
「え、」
絢斗くんが持っているフォンダンショコラをひと口食べて、あーんされてるみたいでキュンとして。
よかった、美味しくできてる。
と、私の顔をじっと見つめた絢斗くんが、ぐっと距離を近づける。
驚いている私の唇を、絢斗くんがぺろっと舐めた。
「!?」
「チョコついてた」
「だ、だからって、」
そうやってすぐにドキドキさせるの、ずるいなぁ。
絢斗くんは余裕そうなのが悔しいよ。
「……手作りとか嫌なのに、ごめんね。スマホケースも、紗英さんみたいにハイブランドのじゃなくて、」
小さな声で呟いたら、絢斗くんは不機嫌そうに眉をしかめる。



