今度こそ一人ぼっちになってしまった私は、誰も見る人もいないのだしと、ドレスが乱れようと気にせずじたばたと手足をクッションにぶつけた。
「何よ!誰か一人くらい残ってくれてもいいじゃない!!」
むきーっ!と怒りをクッションにぶつけるが、クッションが柔らかすぎるせいであまり上手く怒りを発散させることができず、ただ息だけが上がっていく。
馬鹿馬鹿しいと動かしていた手足を止めて、テーブルの上に置かれた紅茶を一気に飲み干した。
「まったく……」
空になったティーカップを片付けてくれる侍女も、乱れたドレスを直す侍女もいない。
渋々ティーカップを棚の上に置かれたトレーに戻し、乱れたドレスを力なく叩いてこれにて終了。
ふと窓の外を見れば、はしゃいだ様子で裏口から屋敷の外へと向かう侍女達の姿が見えた。
あんなにはしゃいだ所を誰かに見られたら恥ずかしいと思わないのかしらと思ったけれど、先程自分がしていた行動も人のことは言えないとこの思いもろとも消し去った。



