悪役令嬢には甘い言葉は通じない。




変な決心がついた私は、今度は自分からルーベルトの首に腕を回してその唇を奪ってやった。


驚いてもらうつもりだったというのに、拍車をかけてしまったようでルーベルトが私を逃がすものかと今度は噛み付くようなキスを落としてやめてくれない。



「ルーベルッ……ト」


「本当にこんな特別なお菓子をいただくことができる日がくるなんて」


「……っ」


「今日までちゃんと俺の事待っていてくれてありがとう、ローズベリア」



わざとらしくリップ音を響かせて頬にキスをするルーベルトを睨みつけると、部屋の外から大きな花火が上がる音と、キラキラと輝く光の礫が見えた。



「どうやら、街も俺達のことを祝福してくれるみたいだ」


「これからは、その……」



言いたい言葉が喉に突っかかって中々出てきてくれないけれど、ここはハッキリと言うべきよね。


ここでちゃんと掴んでおかなければいけないものがあるのだから。



「わ……私の傍にいてくれる?」


「当たり前だよ。一生君を離さないから、覚悟してね」



光り輝く幻想的な空に祝福されながら、私達はもう一度キスをした。


こんな悪戯があるなんて今日という日まで知りもしなかった私だけれど、今日からたくさん知っていけばいい。

一人寂しく街を見つめる日がなくなって、これからは楽しい時間が増えるはずだから。




お菓子よりもずっと甘い、この時間を。