他の男性に言われたならムッとしてしまう偉そうな発言も、彼が口にすれば乙女心を刺激するだけの甘い殺し文句にしか聞こえなかった。

青白かったレミリアの頬が赤く染まっている。

(これ以上覗いたら失礼よね。でも、美男美女のラブシーンが美味しくて、目を離せない……)

「クリストファー様に、どこまでもついていきます」

レミリアが恥じらいながら答えると、王太子が嬉しそうに目を細めた。

そしてゆっくりと顔を近づけ、レミリアの唇を奪った。

(が、眼福。心が通じ合ったふたりのキス、最高です。わっ……!)

乙女ゲームのクライマックスのような胸キュンシーン。

それを味わうことができたエマは、興奮のあまりに鼻血を出して、ひとり慌てるのであった。