あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!

「へぇ~、樹生もついに結婚か。
あ、初めまして。杉本潤です。
樹生とは、中学の頃からの幼馴染なんです。」

「は、初めまして。
田中奈美です。」

さっきとは違い、親しみのこもった優しい笑顔だったから、私もなんとなく安心出来た。



「ご希望の石はありますか?」

「い、いえ…特には…」

「彼女の誕生日は5月だから、エメラルドはどうかって思ってるんだけど…」

「良いね。
ちょうど、良いエメラルドを仕入れたところなんだ。
ちょっと待っててくれよ。」

そう言って、潤さんは席を立った。



「遠慮しないで、欲しいものがあったら言ってね。」

そんな事言われても、言える道理がない。
成り行きでここまで来てしまったけど、こんなこと、うまくいくはずがないんだから。



私はあえて返事をしなかった。
とにかく早く帰りたい。
今日は驚くことがありすぎて、なんだかとっても疲れたよ。



もしかして、私は長い夢を見ているのだろうか?
そうとでも思わなければ、今日のことは理解出来ない。



でも、やっぱり夢じゃなかった。
しばらくすると潤さんが箱のようなものを持って戻って来た。
そして、それを開くと、そこには目もくらむような宝石が並んでた。