「そうか。気の毒なことを言うようだが、正式な婚約が決まったら、幼なじみの彼とは親しくしないでもらいたいと思っている」 「……、」 「ああ、これは単なるわたしの考えでね。やはり花咲財閥の人間になるとなれば、それは必然だと思うのだよ。彼と我々では住む世界も違うのだからね」 言われていることの意味がすぐにはわからなかった。 世界が違うなんて、一度だって思ったことはなかったから。 私の隣には蓮くんがいて、蓮くんの隣には私がいた。 だから、私の世界から蓮くんが消えるなんて想像さえもしたくない。