「知ってる。アイツも必死に探してて、そん時聞いた」

「……うん」


それ以上、蓮くんは何も言わなかった。


沈黙が落ちたままようやく二階まで戻ると、


「あっ! 秋元先輩……!」


すぐにお裁縫道具を持った秋元先輩を見つけた。


「かっ、歌鈴ちゃん……遅かったのね」


目を見開き驚いている秋元先輩に駆け寄った。


「すみません……っ、ちょっとトラブルがあって。それに糸切りばさみなんですが……」


歯切れ悪く秋元先輩に言いかけたその瞬間、