「蓮くんは、どこから食べたいの……?」 「ううん。俺も食べないよ。食べたら、歌鈴がガッカリするから」 蓮くんの優しい笑顔に、私も自然と笑顔になっていたんだ。 「──音無歌鈴!」 その時、突然名前を呼ばれてビクリと肩を震わせた。 振り向けば、正装した無愛想な男の子が私を鋭い目付きで見ていた。 というよりも、睨んでいて……。 その男の子とは毎年パーティーで顔を合わせていた。 パパのお友達の子供だってことはママから聞かされて知っていたけれど……。