「ん、いいよ」


「え、いいの?」


「遊びに行きたいんでしょ?」



コウくんがオッケーしてくれた。


デートとは言えなくても、わたしにとってはコウくんと一緒に遊びに行けるのは特別なこと。


ずっとずーっと夢だったことだから。



「じゃあ今度の土曜日ね。行くとこは芽依が決めといて」



計画とか面倒くさいからとお決まりの理由で全てをわたしに投げてきたコウくん。



「もちろん、任せておいて!楽しいプラン考えるから!」



コウくんとお出かけだよ?


喜んで考えるに決まってる。


家に帰るとお母さんに「何かいいことあった?」なんてつっこまれるくらい嬉しくて。



楽しみだな、土曜日。



高揚する気持ちを抑えられず、カレンダーに遊びに行く日をグルグルと丸で囲う。


緩んでしまう頬を押さえながらじっとカレンダーを見つめ、当日は何をしようかなんて妄想を膨らませていた。