池田先輩は一部を指さして感心している。


【大島くんが右足をかばうような走り方をしていたので確認。小指に靴擦れがあったため処置】

【福岡先輩が疲れ気味。肩をアイシングするようにすすめる】

【木下先輩の水分補給の回数が少なく感じる。冷たい水を渡す】


「先輩相手に生意気ですね。すみません」

「生意気なもんか。これだけこまめにチェックしてもらえてると思うと、安心して柳瀬に健康管理を任せられる。あっ、自分は倒れるなよ?」

「あはは。それを言わないでください」


選手は気になるのに、自分自身は管理できないなんて間抜けすぎる。


「いいマネージャーだよね、柳瀬は。ほんとありがとう」


にこやかな笑みを向けられると照れくさい。

病院に付き添ってから、先輩との距離が一気に縮まったような気がして、私はうれしかった。