堂々と言い切る中江くんは、とても冗談を口にしているようには見えない。

それだけ努力を重ねているという自信があるのかもしれない。


「いいね、その目。俺は二年の春からレギュラーだった。それを超えろ。練習で監督にアピールしろよ。俺も推しておく」


中江くんが離れていくと、池田先輩はその後、私がつけているトレーニング日誌を熱心に読み始めた。


「これ、柳瀬がいつも書いてるの?」

「はい。練習メニューは今後にも役立つでしょうから残しておきたいんです。でもその他は特に役立ちそうにないですから、あんまり読まないでください」


歴代のメニューは、池田先輩も大いに参考にしている。

だから私もずっと先まで続く後輩のために、記録を書き残している。

それと、その日の練習で感じたことやしたことをちょこちょこ付け足しているのだ。


「これすごいな。よく見てるんだね、柳瀬」