ケガにはびっくりしたけど、こんな話ができるなんて幸せだ。
「これからも、熱い声援頼むよ」
「はい!」
私は駅まで十分を、ウキウキした気持ちで過ごした。
先輩とは方向が違うので駅で別れたものの、私の気持ちは弾んでいた。
家に帰ってリビングに行きダイニングテーブルで麦茶を飲んでいると、真奈がちょうど二階の部屋から下りてきた。
母は買い物に出ているようだ。
「おかえり。今日早くない?」
彼女は私の対面の席に座り話し始めた。
「うん、池田先輩がケガをして病院に付き添ってたから」
伝えると、彼女は目を丸くする。
「池田先輩ってキャプテンだったっけ? 夏の予選のとき、二年生なのにスタメンだった人だよね?」
「そう。四番打ってる、うちの戦力」
そういえば、予選のあとそんな話をしたような。
「大丈夫なの?」



