キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

相変わらずぶっきらぼうな言い方ではあったけど、彼が珍しく優しく微笑んだので、髪を切ったのは間違いじゃなかったとなんとなく感じた。



私の髪形が変わったせいで、教室でも驚きのざわつきが起こる。


「ちょっと、莉奈。どういう気の変わりよう?」


真っ先に飛んできた弘香が、驚きの表情を浮かべる。


「ちょっと、気分転換かな」


まさか須賀くんとあんなやり取りがあったとは明かせない。
肝心の須賀くんはまだ登校していないようだ。


「莉奈、似合ってるでしょ?」


近くにいた真奈も口を挟んできた。


「うんうん。でも、ロングのイメージしかないから新鮮だね。でも、こっちのほうが莉奈っぽいかも。姉妹で全然雰囲気変わっちゃったね」


弘香が真奈と私を見比べるので、ドキッとした。
でも、中江くんの顔を思い浮かべて笑顔を作る。


「真奈はロングが似合うから」
「そうかも」