キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

彼は苦しそうに言葉を吐きだす。


「お前と妹は別の人間なんだ。双子だからって同じわけがない」

「あはっ。そう、だよね」


もうそれ以上言わないで。
胸に突き刺さったナイフがさらに傷をえぐるから。


「同じでたまるか。俺は……バカみたいに不器用だけどいつも一生懸命なお前のほうがいい」

「えっ……」

「須賀の言うことなんて無視しておけばいいんだ。あんなバカのせいでお前が傷つく必要ねぇんだよ」

「中江、くん……」


私は彼の気遣いがうれしくて、小刻みに何度もうなずく。


「こんなときまで笑うな。泣きたいときは泣けばいいんだ」


中江くんに促されると、我慢していた涙が再びあふれてきて、頬を伝いだす。


「中江くん、私……」

「わかってる。お前の気持ちはわかってるから、もうなにも言うな」


優しい言葉はさらに涙を誘う。


私はそれからしばらく声をあげて泣き続けた。