キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。

「なにやってんだ。お前、日直だっけ?」


足を踏み出そうとしたとき、中江くんの声がした。
彼は私のところまで歩み寄る。


「真奈が病院で……」
「それで代わったのか?」
「うん。中江くんはどうしたの?」
「今日の宿題プリント忘れたから取りに来たんだ」


彼は自分の机からプリントを取り出して、無造作に制服のお尻のポケットにつっこむ。


「クチャクチャになるよ?」
「やってあれば文句ねぇだろ。じゃ、行くぞ」
「えっ……」


彼は数学のノートと、置いてあった私のカバンまで軽々と持って歩きだす。


「俺も一緒に行けば一回で済むだろ?」
「でも部活……」
「病み上がりのチビを放っておけるか」
「ごめん」


申し訳ないけど、すごく助かる。


「違う」
「ん?」
「謝るのは柳瀬じゃなくて、妹。なんでもお前に任せるんじゃなくて、日直、明日のヤツと代わってもらえばいいだけだろ」
「そっか」